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「コミッテッドサービス」開始に至った経緯(その2)

こんにちは。ソニー損保 損害サービス部の和仁原(わにはら)です。

さて、先日「コミッテッドサービス」の取組を開始した理由についての説明を掲載しましたが、今回はその第二弾として、具体的な取組項目を決定した経緯について述べたいと思います。

2.取組項目の決定

「コミッテッドサービス」の取組項目の設定条件は以下の3点です。

・事故受付から保険金支払の各段階のうち、お客様がより価値を感じていただける項目であること。
・取組内容は、高品質かつコミット(約束)が可能なものであること。
・具体的な数値目標の設定ができること。

事故対応サービスにおける「コミッテッドサービス」の方針決定後も、弊社内プロジェクトチームにおいて継続的に協議を重ね、各条件に対し以下のプロセスで目標を決定しました。


(1)お客様がより価値を感じていただける項目の設定

最初に、「弊社の事故対応サービスにお客様はどのような対応を期待しているか」という視点で、各工程別の項目の洗い出しをプロジェクトチームで実施しました。同時に、過去のお客様の声(特に不満の声や意見・要望事項を中心に)を集約し、プロジェクトチームの検討結果との付け合せを実施しました。
その結果、「担当者が決まるまでに時間がかかる」、「早く担当者の声が聞きたい」というお客様のご要望が非常に多いことが判明しました。

さらに詳細を分析してみると、事故解決の決定権を有する担当者本人から連絡が来ないと、お客様は事故当初に感じる不安を解消できないことも分かってきました。
この結果を踏まえ、「事故対応サービスを提供する事案担当者本人から、お客様へ出来るだけ速やかにご一報する」という項目を「コミッテッドサービス」の第一弾とすることが決定しました。


(2)高品質かつコミット(約束)が可能である取組内容の設定

「言うは易く行うは難し」ということわざがありますが、事故対応サービスにおいて、サービスレベルをコミット(約束)するのは至難のわざと言わざるを得ません。

「コミッテッドサービス」は、定型化が可能で、かつ、お客様へ一律にサービスを提供できる項目であることが前提となりますが、自動車事故は当事者の感情と利害関係が複雑に絡むため、「同じ事故状況なら解決結果は全て同じ」ということにはならず、事故対応サービス自体を定型化できないからです。

また、事案担当者は事故の早期円満解決を実現するため、刻々と変化する状況を冷静に判断しながら、臨機応変に適切な対応を行うことが求められています。このことも事故対応サービスの定型化を困難にしている要因の一つです。

幸いなことに、上記(1)に掲げた項目は、事故状況を把握することができれば個別の条件に左右されることが少ないためお客様にご一報することができ、お約束を果たせることから、事故対応サービスにおける数少ない定型化項目であり、かつ、お客様へ一律にサービスを提供できる項目ということで、本条件もクリアということになりました。

(3)数値目標の設定

もし、「事故受付完了後、受付を行った全案件に対し30分以内に担当者本人からご一報します。」とお約束できればよかったのですが、努力目標ではない以上、ある程度現実的な目標設定とせざるを得ません。
かと言って、お約束の確実な実施を最優先に、「事故受付完了後、2日以内に担当者自身からご一報します。」といった目標を設定しても、なんの意味も持たないのも事実です。


目標設定に対しては、過去の弊社対応時間の実績と、お客様の立場から考えた対応時間(例:「事故の連絡が朝一番(9時)にあったとしたら、遅くともお昼(12時)には担当者から連絡がほしいだろう。」等)を考慮し、最終的に「事故受付後3時間以内」という時間設定をさせていただきました。

また、前述のとおり、時間設定以上にご要望の多かった「担当者本人からの連絡」をコミットメントのなかに盛り込みました。

対象案件は、できるだけ多くの案件を対象とする方針で検討しましたが、それでも一部案件に対し対象外の規定を設けざるを得なかったことにつきましては、この場を借りてあらためてお詫び申し上げます。今後も事故対応サービス体制を継続的に強化し、少しでも多くの案件を対象とできるよう努めていきます。

こうして取組項目が決定したのですが、サービス提供開始までには最後の難関が立ちはだかっていました。
それは、サービスの徹底を図るための「各サービスセンターにおけるマネジメントの強化」と、それにともなう「事故対応サービス体制の再構築」という2つの課題でした。

つづく

※次回は、3月上旬頃掲載予定です。