1.「対物超過修理費用補償特約」の新設
対物賠償保険金をお支払いする車同士の事故で、相手のお車の修理費が時価額(*1)を超過した場合に、時価額と修理費との差額について過失割合に応じて50万円を限度に補償(*2)する「対物超過修理費用補償特約」を新設しました。
相手のお車の損害に対して支払われる対物賠償保険金は、法律上の損害賠償基準である時価額が上限となりますが、同特約を付帯していれば、相手のお車の修理費が時価額を超過した分についても、一定の条件のもと、保険金の支払いを受けることが可能になります。
(*1) 相手のお車と同じ車種・年式で同じ損耗度の自動車の市場販売価格相当額をいいます。
(*2) 相手のお車に損害が生じた日の翌日から起算して、6ヵ月以内に修理を行った場合に限ります。
2.「運転者本人限定特約」の新設
補償の対象となるお車の運転者を限定する特約に、主にお車を使用される方(記名被保険者)のみを補償対象とする「運転者本人限定特約」を新設しました。
なお、今回新設した「運転者本人限定特約」および、従来からある「運転者本人・配偶者限定特約」「運転者家族限定特約」を付帯した場合の、全体の保険料からの割引率は右表のとおりです。
3. 保険法改正に伴う約款の改定および取扱いの変更
2010年4月から施行される保険法(*3)に対応すべく、約款の改定および取扱いの変更を実施しました。主な変更内容は以下のとおりです。
<契約締結に関する主な変更>
■告知方法
ご契約時にお客様から告知いただく内容は、従来から、質問にお答えいただく形で確認させていただいており質問応答義務形式を具備していましたが、お客様にとってのわかりやすさをさらに追求し、申込書などで告知事項にあたる項目には、記入欄などに印(☆印)を付けました。
■通知義務(改定前の約款でのご契約についても、2010年2月1日以降適用されます)
保険期間の途中で、ご契約者側の事由で契約内容に変更が生じる場合、従来は当社に「あらかじめ」通知していただく必要がありましたが、「遅滞なく」通知いただくことに変更しました。
■重大事由による解除(改定前の約款でのご契約についても、2010年4月1日以降適用されます)
ご契約者や補償の対象となる方が保険金を受取るために故意に損害を生じさせたり、保険金請求について詐欺を行ったりした場合など、保険の健全性の維持が困難となるような重大な事由があるときは、保険会社が保険契約を解除できることを約款に明記しました。
<保険金支払に関する主な変更>
■保険金支払期限(改定前の約款でのご契約についても、2010年2月1日以降に発生した保険事故について適用されます)
当社では従来から、保険金請求に必要な書類などの取付けが完了した時点から、その日を含めて30日以内に保険金を支払うことを約款で定めていましたが、30日以内に適正な保険金支払のために必要な調査が終了しなかった場合は「調査終了後に遅滞なく支払う」とし、支払期限を明確に定めていませんでした。
今回、例外となる5つのケース(*4)以外については、30日以内に保険金をお支払いすることを約款に明記しました。
■賠償責任保険の先取特権(改定前の約款でのご契約についても、2010年4月1日以降に発生した保険事故について適用されます)
被害者保護の観点から、被害者がほかの債権者に優先して保険金から弁済を受けることができるよう、賠償責任保険金請求権について、補償の対象となる方(被保険者)よりも被害者が優先される(先取特権が付与されている)ことを約款に明記しました。
<用語の見直しや特約名称の変更>
わかりやすさの観点から用語の見直しや特約名称の変更などを実施しました。また、使用頻度の高い重要な用語については、用語説明一覧「用語の定義」にまとめ、約款に追加しました。
(*3) これまで保険契約に関する基本的なルールは明治時代に制定された「商法」の中に規定されており、約100年間実質的な改正がなく表記も片仮名・文語体のままで、現在の社会情勢にあった適切な内容や表記にする必要がありました。 そこで、保険契約に関する基本的なルールが全面的に見直され、「商法」から独立した「保険法」が新たに制定され2010年4月から施行されることとなりました。「保険法」では、保険契約者などの保護のためのさまざまな規定が整備されています。
(*4) 例外となる5つのケースとは、警察などの捜査機関への照会や災害救助法適用地域での調査など、一定期間の延長が必要と判断されるケースです。これらのケースについては、過去の実績から算出した合理的な期間(60日、90日、120日、180日など)を、保険金支払期限としてあらかじめ約款に定めました。
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