アンケート総括
【運転実態と車の維持費】
◆ 年間走行距離7,000km以下の人が6割 1ヵ月あたりの維持費は平均14,300円
◆ 車の維持費は例年より1ヵ月あたり1,000円以上安く ガソリン価格の下落が影響か
◆ 「燃料代を負担に感じる」 昨年比13ポイントダウン
◆ 理想の燃費は26.4km/l 実際の燃費は15.0km/l
自家用車を所有し、月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女1,000名に対し、年間の走行距離を聞いたところ、「3,000km以下」が7.6%、「5,000km以下」が27.1%、「7,000km以下」が24.7%で、年間走行距離が7,000km以下までの方が合計で6割(59.4%)となり、年間走行距離の平均は7,073kmとなりました。
男女別に年間走行距離の平均をみると、男性は7,492km、女性は6,654kmとなり、男性のほうが女性よりも走行距離が長い傾向がみられました。
次に、1ヵ月あたりの車の維持費(※1)を聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(29.1%)と「10,000円~15,000円未満」(26.2%)を中心に回答が集まり、平均額は14,300円(※2)となりました。
(※1):保険料、ガソリン代・燃料代、駐車場代、修理代等のことで、税金、ローン返済、有料道路通行料は除きます。
(※2):100円未満は四捨五入
また、車の維持費の平均額を過去5回(2010年~2014年)の調査結果と比較すると、今年は例年に比べて維持費が1,000円以上減少しており、維持費が少なくすんでいる傾向にあることがわかりました。
続いて、車の諸経費で負担に感じるものを複数回答で聞いたところ、「車検・点検費」が70.8%で最も高く、次いで「自動車税・軽自動車税」が61.6%、「ガソリン代・燃料代」が56.8%で続きました。
「ガソリン代・燃料代」を負担に感じる割合は、過去5回(2010年~2014年)の調査結果で上昇傾向がみられていましたが、今年は下落に転じ、昨年から13.3ポイント下がり(70.1%→56.8%)ました。2015年はガソリン価格が下落傾向となった影響で、燃料代の負担感がやわらいだのではないでしょうか。車の維持費が少なくすんでいる傾向にも、ガソリン価格の影響があったと考えられそうです。
次に、車の理想の燃費について聞いたところ、「20km/l~25km/l未満」が22.4%で最も多く、「わからない」(14.7%)と答えた方を除いた平均値は26.4km/lとなりました。同様に、所有している車の実際の燃費について聞いたところ、「10km/l~15km/l未満」が33.8%で最も多く、「わからない」(17.0%)と答えた方を除いた平均値は15.0km/lとなりました。
理想の燃費と実際の燃費の平均値を過去2回(2011年・2013年)の調査結果と比較すると、どちらも上昇傾向がみられ、理想の燃費は2011年から2.8km/lの上昇(23.6km/l→26.4km/l)、実際の燃費は2.5km/lの上昇(12.5km/l→15.0km/l)となりました。実際の燃費が向上している一方で、ドライバーが理想とする水準も高くなっている様子がうかがえました。
【マイカーと搭載設備】
◆ 「マイカーは軽自動車」が4割強 5年間で14ポイントの上昇
◆ 普及が進むアイドリングストップ機能 自家用車の4台に1台が搭載
全回答者1,000名に対し、主に運転している車のボディタイプを聞いたところ、「軽自動車」が最も多く42.5%、次いで、「コンパクトカー」が16.6%、「ミニバン」が15.6%、「ステーションワゴン」が8.4%、「セダン」が7.8%で続きました。
「軽自動車」を運転している割合を過去5回(2010年~2014年)の調査結果と比較すると、昨年からは2.5ポイントの上昇(40.0%→42.5%)、5年前からは14.2ポイントの上昇(28.3%→42.5%)となっており、軽自動車の人気が上昇し続けていることがわかりました。5年間でおよそ1割半、軽自動車がシェアを広げたようです。直近では、40代男性や50代男性で「軽自動車」を運転している割合が大きく上昇し、40代男性は昨年からは10.4ポイントの上昇(24.0%→34.4%)、50代男性は18.4ポイントの上昇(17.6%→36.0%)となりました。
次に、主に運転している車の燃料(エンジン)タイプを聞いたところ、「ガソリン自動車」が89.3%、「ハイブリッド自動車(HV)」が6.1%となりました。
続いて、主に運転している車に搭載されている機器や機能について聞いたところ、「カーナビ」の搭載率(「搭載している」と回答した割合)は66.9%、「ETC」は59.7%、「アイドリングストップ機能」は24.0%、「ドライブレコーダー」は10.6%、「衝突防止装置」は10.7%となりました。
アイドリングストップ機能を「搭載している」割合を過去4回(2011年~2014年)の調査結果と比較すると、昨年から6.9ポイントの上昇(17.1%→24.0%)となっており、徐々にアイドリングストップ機能の普及が進んでいる様子がみられました。
【マイカーの買替え意向】
◆ 3人に1人が「次のマイカーは軽自動車」
◆ マイカーが軽自動車の人の6割半は「次も軽自動車を購入」
◆ 軽自動車を選ぶ理由「自動車税が割安」「運転しやすい」「燃費が良い」
10代・20代は「軽自動車のデザイン性」も評価する傾向
◆ ガソリン自動車の人気上昇 次に買いたいのは「ガソリン自動車」3割半
ハイブリッド自動車を逆転
◆ 車の買替え予算 平均176万円 軽自動車の予算は平均111万円
全回答者1,000名に対し、今後車を買替える予定について聞いたところ、「半年以内」が2.4%、「1年以内」が5.5%、「2年以内」が9.5%、「3年以内」が9.3%、「5年以内」が14.0%となり、今後5年以内に買替える予定のある割合は合計で40.7%となりました。また、「買替えはせず、手放す予定」は4.6%となっています。
車を買替える予定がある方954名に対し、車を買替える時に「新車」と「中古車」のどちらで購入を考えているかを聞いたところ、「新車」が54.3%、「中古車」が21.1%、「わからない」が24.6%となりました。
続いて、次に車を買替える時に購入したいボディタイプを聞いたところ、「軽自動車」が32.0%で最も多く、「ミニバン」が14.5%、「コンパクトカー」が11.5%で続きました。
主に運転している車のボディタイプ別にみると、同じボディタイプの車に買替えたいと考えている割合は軽自動車に乗っている方が最も高く64.1%となっています。また、普通乗用車のセダンに乗っている方の1割強(11.7%)、コンパクトカーに乗っている方の1割(9.9%)が、次の買替えで「軽自動車」への乗替えを検討しているようです。
それでは、軽自動車が人気となっている理由はどんなところにあるのでしょうか。
次に車を買替える時に軽自動車を購入したい方305名に対し、軽自動車を選ぶ理由を聞いたところ、「自動車税が割安だから」が72.8%で最も高く、次いで、「小回りが利くなど、運転しやすいから」が69.5%、「燃費が良いから」が57.4%、「本体価格が安いから」が46.9%、「十分な走行性能だから」が32.5%、「室内空間が十分に広いから」が20.7%で続きました。税金や燃費、本体価格など、かかるお金が安くすむことに加え、運転のしやすさや走行性能、室内空間などの性能面にも魅力を感じている様子がうかがえました。
男女別にみると、男性は「燃費が良いから」が63.0%で女性より高く、女性は「小回りが利くなど、運転しやすいから」が75.1%で男性よりも高くなりました。
年代別にみると、10代・20代では「小回りが利くなど、運転しやすいから」が80.8%、「デザインが良いから」が23.3%と、それぞれ他の年代よりも高くなりました。若年層は運転しやすさに加え、軽自動車のデザイン性も評価しているようです。
さらに、次に車を買替える時に購入したい燃料(エンジン)タイプを聞いたところ、「ガソリン自動車」が34.0%で、「ハイブリッド自動車(HV)」が30.4%となりました。
「ガソリン自動車」に買替えを考えている割合を過去5回(2010年~2014年)の調査結果と比較すると、昨年比で4.1ポイントの上昇(29.9%→34.0%)となり、調査開始してから初めて、ガソリン自動車がハイブリッド自動車を上回る結果となりました。ハイブリッド自動車によりも車両価格が相対的に安いことや、エンジンを小型化し、燃費を向上させるダウンサイジングターボエンジンをはじめとする環境技術が進歩してきたことなどから、ガソリン自動車への買替えを考える方が増えているのではないでしょうか。
車を買替える予定がある方954名に対し、車を買替える際の車体本体価格(※諸経費:自動車税、自動車取得税、自動車重量税などは除く)の予算を聞いたところ、「100万円~150万円未満」が20.3%で最も多くなり、「150万円~200万円未満」は16.9%、「50万円~100万円未満」は14.9%となっています。「わからない」(12.8%)と回答した方を除いた平均予算額は175.7万円となりました。
買替えを考えている車のタイプ別に平均予算をみると、軽自動車の購入を考えている層の平均予算は110.5万円、コンパクトカーの購入を考えている層の平均予算は158.2万円となりました。
また、ガソリン自動車の購入を考えている層の平均予算は147.1万円、ハイブリッド自動車の購入を考えている層は209.9万円となりました。
【グリーン化税制】
◆ 「軽自動車税の増税」8割超が認知 「古い車の自動車税増税」は5割半
◆ グリーン化税制の趣旨に「納得できる」が6割強
中古ガソリン車を買いたい層の過半数は「グリーン化税制に納得できない」と回答
◆ グリーン化税制の影響 「エコカーの購入意向UP」5割半 節約意識の高まりも
今年、“グリーン化税制”として、自動車関連の税制に変更がありました。これらの変更は、どの程度認知されているのでしょうか。また、マイカーの買替えやカーライフにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。グリーン化税制について、質問を行いました。
まず、全回答者1,000名に対し、グリーン化税制について知っていたか聞いたところ、【軽自動車税の増税】については、「変更の内容を知っていた」が50.4%、「変更されたことは知っていたが、内容は知らなかった」が30.6%となり、合計で『変更されたことを知っていた』(「変更の内容を知っていた」と「変更されたことは知っていたが、内容は知らなかった」の合計)割合は81.0%となりました。また、【古い車の自動車税の増税】では、「変更の内容を知っていた」が27.4%、『変更されたことを知っていた』は56.0%となり、【エコカー減税の基準の厳格化】では、「変更の内容を知っていた」が22.3%、『変更されたことを知っていた』は54.1%となりました。いずれも半数以上の方が変更を認知していましたが、軽自動車税の増税については8割以上の方が認知しており、注目を集めた変更だったことがうかがえました。
グリーン化税制は、“地球環境保護の観点から、環境性能の高い車に対しては減税し、一方で環境負荷の大きい車に対しては税を重くする”といった趣旨にもとづいて行われました。そこで、【グリーン化税制の趣旨には、納得できる】かどうかを聞いたところ、『あてはまる』(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計)が62.5%、『あてはまらない』(「全くあてはまらない」と「あまりあてはまらない」の合計)が37.5%となりました。環境保護のため、環境性能で税率を変えるという趣旨には納得できる方が多数派となりました。
買替えを考えている車のタイプ別にみると、ガソリン自動車の中古購入を考えている層は『あてはまる』が41.8%、『あてはまらない』が58.3%で、納得できない方が多数派となりました。
買替えへの影響については、【(グリーン化税制で税負担が軽くなる)環境性能が高いエコカーの購入意向が高くなった】かどうかを聞いたところ、『あてはまる』が53.8%、【(グリーン化税制による増税や、減税の基準の厳格化により)車の購入をためらった】では『あてはまる』が37.3%となりました。半数以上のドライバーに環境性能の高いエコカーへの興味を抱かせた一方で、購入をためらうようになった方も4割弱と少なくありませんでした。
カーライフへの影響については、【節約のため、エコドライブ(燃費がよい運転)を心がけたい】かどうかを聞いたところ、『あてはまる』が84.1%、【節約のため、自動車保険の見直しをしたい】では『あてはまる』が63.5%となりました。グリーン化税制により、ドライバーの節約意識が高まっているようです。
【安全運転と運転支援】
◆ 3人に2人が自動車事故の経験者
◆ 車社会で恐怖を感じること「薬物運転」と「飲酒運転」が最上位
◆ 「車のハッキングや遠隔操作」ニュースなどでドライバーの1割半が恐怖
◆ 車に付けたい運転支援システムは「衝突防止装置」と「歩行者検知システム」
◆ もしも人の運転より安全な自動運転車が実現したら?「利用したい」8割半
◆ 自動車保険は「安さ」だけでなく「事故対応力」も重要
全回答者1,000名に対し、自分が運転している時に自動車事故に遭った経験があるか聞いたところ、「経験がある」が62.6%となりました。また、この1年で事故の経験があるかについても聞いたところ、「経験がある」が8.6%となりました。
次に、車社会で過ごすなかで、最近恐怖を感じること(※体験したことに限らず、ニュースなどで知ったことを含む)は何か聞いたところ、「薬物(危険ドラッグなど)を服用した運転者による事故」が最も多く68.9%、「飲酒運転による事故」が68.3%と同程度の割合で続きました。薬物運転や飲酒運転などの危険運転に巻き込まれないか、不安を感じている方が多いようです。以下、「高齢者・高齢運転者との事故」(60.2%)や「スマホ・携帯電話のながら運転による事故」(58.9%)、「居眠り運転による事故」(57.2%)、「ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故」(55.3%)が過半数の割合で続きました。そのほか、「運転中の自然災害(ゲリラ豪雨・台風など)との遭遇」は38.6%が、「車のハッキング・遠隔操作」は13.7%が恐怖を感じているようでした。
続いて、安全運転に役立つ先進的な“運転支援システム”について、車に付けたいと思うものを複数回答で聞いたところ、「前方の車と衝突しそうになったらブレーキが作動する装置(衝突防止装置)」(61.8%)と「夜間など視界が悪いときに、前方の歩行者を検知してお知らせする装置(歩行者検知システム)」(60.1%)が6割台、「車線変更するときに死角に車がいたらお知らせする装置」(45.2%)が4割台、「発進時にアクセルとブレーキの踏み間違いを防止する装置」(35.8%)と「歩行者と衝突したときの歩行者用エアバッグ」(34.3%)、「渋滞時などに前方の車に自動で追従する装置」(32.4%)が3割台で続きました。緊急時に役立つ安全装置や視界を補助する機能を持つ運転支援システムを付けたいと思う方が多いようです。
次に、もしも自動運転車(自動で走行できる車)が実現したら、自動運転機能を利用したいと思うかを聞いたところ、「非常に利用したいと思う」が24.3%、「やや利用したいと思う」が48.0%で、合わせて72.3%の方が『利用したい』と回答しました。
さらに、もしも自動運転が“人が運転するよりも安全”だと証明されたら、利用したい気持ちはどの程度になるか聞いたところ、「非常に利用したいと思う」が41.2%、「やや利用したいと思う」が43.7%となり、合わせて『利用したい』は84.9%となりました。人が運転するよりも安全な自動運転機能がもしも登場したら、8割半のドライバーは利用したいと考えていることがわかりました。
また、安全運転に関連して、自動車保険(任意保険)を選ぶ時に重視するポイントはどこか聞いたところ、「事故時の対応力」(71.2%)と「保険料(安さ)」(70.5%)が7割台、「ロードサービスの充実度(パンク、キー閉じ込み、バッテリー上がり時など)」(45.5%)が4割台、「保険会社の知名度・信用度」(30.7%)が3割台で続きました。保険料が安いことだけでなく、事故が起こった際の対応力も重要なポイントだと考えられていることがわかりました。
※過去5回の調査結果の詳細は、下記URLにて公開しています。
・2010年 全国カーライフ実態調査
前編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2010/10/20101028_1.html
後編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2010/11/20101125_1.html
・2011年 全国カーライフ実態調査
前編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2011/11/20111121_1.html
後編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2011/11/20111124_1.html
・2012年 全国カーライフ実態調査
前編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2012/11/20121126_1.html
後編 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2012/12/20121220_1.html
・2013年 全国カーライフ実態調査
http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2013/11/20131125_01.html
・2014年 全国カーライフ実態調査
http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2014/09/20140930_01.html